ピラティスブログ

・ピラティスでは重要な腸腰筋のお話

①腸腰筋を動かしているイメージをもとう!

ピラティスで耳にするキーワード「腸腰筋」ですが、股関節を屈曲させるときに使うインナーマッスルです。同じ動きをするアウターマッスルは大腿直筋です。

インナーマッスルとアウターマッスル、同じ動きをしますがどっち優位に使って動かしているかの感覚を知ってほしいです。

ピラティスのエクササイズの多くはインナーマッスルへのアプローチを目的にしています。
腸腰筋を意識して足を持ち上げたいけれど「前ももが疲れる!」と感じる方もたくさんいます。
もちろん屈曲時に腸腰筋を使ってはいるのですが大腿直筋の力のほうが大きく働いてしまっているのです。

インナーマッスルを使いたい場合は、ゆっくりとしなやかに動かく事を意識しましょう。
腸腰筋を優位にすることで今まで使いすぎてきた前ももの疲労感は軽減され力のバランスも取れてきます。

どうしてもエクササイズ中に大腿直筋の疲労が先に出てしまう人は、フォームローラーなどを使って前の太ももをほぐしておくこともおススメします!

もも裏のハムストリングスやお尻の筋肉が硬い人も股関節屈曲をしにくいため、大きい筋肉であるアウターマッスル(大腿直筋)を使いがちです。
前ももを緩めるのと同時にハムストリングスやお尻のリリースもおこなえるともっと効果的ですよ!

②腸腰筋と腰痛

多くの人が腰痛に悩まされています。わたしもその一人です。
私の場合は中学生のころから腰痛がひどく、大人になってからはぎっくり腰を繰り返すようになりました。

腰痛などはその部分だけが悪いのではなく、からだのいたるところの可動域が狭いことや歪んだ背骨や骨盤も原因にはありますが、腸腰筋と腰痛の関係にフォーカスしてみようと思います。

腸腰筋は腰から太ももの骨にくっついています。その腸腰筋が硬くなると筋肉は縮んだ状態で固まるので腰椎が引っ張られます。
固まって引っ張られた状態のまま腰をまっすぐしようとしたりひねろうとすると腰痛の原因に繋がります。
前に引っ張られ続ける腰椎で反り腰になることでも腰痛の原因となり得ます。

腸腰筋は屈曲するときや立つときに支えられるような働きをしますが、鍛えると同時に無駄な硬さを取り除く事も大事です。

前もものストレッチをするときに、腰をそったままおこなうとは腸腰筋にアプローチされにくいので気を付けてください。間違えやすいストレッチは伸びを感じやすくしようとお腹を突き出し身体をうしろにそらせること。前の太ももが伸びる感覚はあるかもしれませんが腸腰筋に効かせるためには骨盤を立て腰椎もニュートラルの状態、もしくは骨盤を後傾にしていくことで腸腰筋が伸びる感覚を確認できます。

どんなストレッチをする際のも、骨盤はできるだけニュートラルで反り腰にならないように伝えています。間違ったストレッチ方法では逆に痛みをうんでしまう可能性があるからです。

そういったことも意識しながら効果的なストレッチや運動をしてきましょう!

③腸腰筋と姿勢

骨盤が前傾気味のかたは、腸腰筋が緊張状態にありこわばっているため腰椎を引っ張る影響で反り腰になりお尻がでっぱり、前の太ももとふくらはぎが硬くなり張りやすいでしょう。

逆に骨盤が後傾気味だとハムストリングス(もも裏)が硬くなり、腸腰筋はゆるんでお尻が下がり腰が丸まりひざが曲がった姿勢の原因となります。

骨盤を基準に姿勢を考えたとき、骨盤の前後傾によって姿勢の印象は変わってきます。そしてその骨盤と関係が深い筋肉のひとつが「腸腰筋」です。

反り腰が強い方でロールアップをしようして骨盤を後傾させようとしたとき、腸腰筋をうまく使うことができないとカラダを起き上がらせる前にひざが曲がったり足が浮いてきてしまいます。このような動作の制限が起きている状態で生活をしていると、やりやすい動きを優先させてもっと姿勢の悪さが強調されてきますね。(腸腰筋の使い方だけに限らずですが!)

腸腰筋は鍛えると同時にストレッチでリリースしていくのが良いと思います。わたしがレッスンの初めに腸腰筋のストレッチを取り入れているのは、手では触れないと腸腰筋がどこにあるのか感じてほしいという理由もあります。そしてその後のエクササイズを通して腸腰筋の使い方を落とし込んでいきたいのです。

ただただ「姿勢が悪い」ではなく、それぞれの歪みや癖を改善するために一つ一つ丁寧に紐解いていくことが姿勢を意識していく大切なことだと思います。

④腸腰筋と歩行

先ほど言ったように腸腰筋は股関節の屈曲(太ももも持ち上げる)役割をしていますね?

歩行で前に進むためには、まず「脚を持ち上げて前に出す」という動作から始まります。
脚を持ち上げにくくなると歩幅も狭くなり、ペタペタ歩いたり地面にするように歩くようになります(高齢者によく見られますね)。ケガのリハビリや高齢者施設でも腸腰筋のトレーニングは重点的におこなわれています。
それは歩くためにです

今普通に歩けている私たちは、わざわざ歩くためのトレーニングをおこなわないと思います。ですが年を重ねるごとに少しの段差でつまずいてしまったり、階段や坂道が苦痛でしょうがなかったり、そんな経験はありませんか?その原因の一つが腸腰筋の衰えにあります。
そして腸腰筋が硬く伸びにくくなっていくと、歩幅を大きく出そうとしても残っている脚の股関節がひらかずに歩きにくさにつながるのです。

他の筋肉やアウターマッスルももちろん動作には必要ですが、腸腰筋が正常であることで助け合う仲間の筋肉たちも本領発揮してくれるというイメージです!

腸腰筋を意識するトレーニングを続けたお客さんからは「階段を上るのがらくになった」「仕事現場でロープなどをまたぐ脚が軽くなった」と実感してもらえているのから伝えたいんです!

「なんでもない所でころびそうになるのよ~」と誰もが聞いたことのあるようフレーズで笑いながら過ぎていきますが、わたしは「それば危険です!」と言ってしまいそうになります。というか言っています(笑)がその場でこの腸腰筋の話をいきなり言い出したらびっくりすると思うので、皆さんの中で気に留めてくれる方がいたら身近な大切な人に教えてあげてください!